LCA的考え方
もしも、それらが分かりやすい点数のようなもので表現される評価方法があったら、私たちは簡単に、そして確かに良いものを選んだり把握する事が出来るでしょう。実はそんな評価方法というか考え方の様なものがあります。
それはLCA(Life Cycle Assessment)と言われています。LCAという考え方を、住まいをイメージして説明してみましょう。
住まいは非常に多くの材料が組み合わさって出来ています。そしてその材料は元をたどると、製造工場で多くの原料とエネルギーを使い、CO2や廃棄物を出すことで作られています。また、住まいをつくる為にその材料を建設現場で組み合わせる時には、更にエネルギーを使い、またCO2や廃棄物を出しています。
ここで一度、この様にして住まいが出来るまでに使われたエネルギーや原料、排出されたCO2や廃棄物を全て足し合わせます。その合計したものが環境に与える影響を、製造時の環境負荷と言います。
次に、この住まいで日々暮していく時に使われるエネルギーや排出されるCO2などは、建物が使われていく限り続きます。その全てを足し合わせたものを、運用時の環境負荷と言います。
そして最後に、使われなくなった住まいが解体されて、工場や処分場での廃棄に必要なエネルギーや排出されるCO2、廃棄物を全て足したものを、廃棄時の環境負荷と言います。
そして最後に、製造時、運用時、廃棄時の環境負荷を足し合わせて、その合計の値が良いのか悪いのか、どこを改善したら良いのかを現すのがLCAと言うものです。LCAは住まいの一生涯をトータルで環境評価をしようとする方法なのです。
実際に私たち個人個人が、このLCAを使って住まいを評価していくことはとても大変です。しかし、LCAという視点をもって住まいや暮し方を考えていくことは大切です。