LCAの話が出てきたところで、住まいの耐用年数の話をします。日本の住宅の平均寿命は30年前後と言われています。これは欧米諸国の100年近くの寿命を持つ住宅と比べると極端に短いです。寿命が短い原因は様々ですが、大きく分けると用途的な原因(例えば、狭い、古いから新しくしたい等)と建物自体の耐久性の原因(例えば、柱などの劣化、地震などによる損壊等)に分けられます。
出所)「Annual Bulletin of Housing and Building Statistics for Europe」 (国連)/「住宅統計調査」(総務庁)
HP http://www.asahiglassplaza.net/kaiteki/architect/ll/thema1/1-4.htmより
原因は別にしても、せっかく時間とエネルギーとお金を掛けて建てた住まいが短期間で使われなくなり壊されるのはとても勿体無く無駄の多い行為です。一度建てた住まいを出来るだけ長く使っていくことは、環境に対してLCA的にも非常に良い事です。住宅の寿命は計画や暮し方の工夫でまだまだ延びるし、これからはいかに長く使える住まいを作り、長く使える暮し方をしていくかも重要な視点です。
これまで話してきたことは少し話しの世界が大きくて、住まいとの結び付きをイメージし辛かったかもしれませんが、住まいを考える時というのはこれらの事を考える良いチャンスでも有ります。自分たちのしたい暮し方や合っている住まいを探す為にも、是非この辺りをいろいろと調べてみてはどうでしょうか。
2.周辺環境と住まい
ここでは周辺環境を概ね目の届く範囲としていますので、自分の敷地内の庭や向う三軒両隣り辺りまでの環境と「住まい」との関係について話をします。