まずは室内空気質の話です。シックハウス症候群や化学物質過敏症という病気を知っている方は多いと思います。これらは室内の空気中にある化学物質によって発症するのですが、同じ環境でも皆が同じように発症するわけではありません。発症するかしないか、またその症状には個人差があります。
ですので、他の人が大丈夫だから自分も100%大丈夫、ということはありません。出来れば自分は、化学物質に対してある程度大丈夫なのか、人より敏感なのかを知っておいた方がいいでしょう。
そして次に、化学物質の健康への影響度というのは、「化学物質の毒性」×「空気中に出てくる量」に関係します。その為、これに対して規制をかけたのが、2003年7月に施行された建築基準法の改正、いわゆるシックハウス法というものです。この法律ではクロルピリホスという化学物質の使用禁止と、ホルムアルデヒドの使用量の規制、それに強制換気の実施を規定しています。この法律のお陰で、住まいに使われる指定建材の殆どが、ホルムアルデヒドに関しては定めた規制値辺りまで、一応の条件を満たすようにはなりました。
しかし、注意が必要なのは、化学物質はホルムアルデヒドひとつだけではないという事です。厚生労働省ではホルムアルデヒド以外にも12種類の化学物質について室内濃度の指針値を定めています。これらに対しては、住まいの建材選びが非常に重要になってきます。
また、室内の空気中に発散された化学物質に対しては適切な換気計画によって対応することも非常に大切になります。