住まいの断熱性能とは
断熱性能についてもう少し詳しく話をしましょう。断熱性能とは住まいの中から外へ、また外から中への熱の移動のしにくさの事をいいます。そして、住まいの断熱性能を決める要素として特に重要なものに断熱材と窓があります。
断熱材には様々な種類があり、それぞれ異なる断熱能力と特徴があります。そして、その断熱材を使った壁などの断熱性能は、断熱材の 「断熱能力」×「厚さ」 で決まります。ですので、目指す断熱性能に対して、断熱材の断熱能力に適した必要な厚さを確保する様に計画をすることが大切です。
また窓からは、断熱された壁や屋根に比べるととても多くの熱が出入りがあります。最近では窓にはペアガラスを使う事が殆どとなってきましたが、それでもやはり断熱された壁などと比べると、熱の出入りのしやすさはまだまだ大きいです。また特に夏場には、窓から直接室内に入ってくる日射による熱の移動が快適性に大きく影響します。
とは言え、窓は風を通したり光を入れたりと大切な役割もあるので、窓無い生活は誰もが望まないでしょう。ですので、窓の大きさや付く方位、窓周辺の計画の工夫、特に夏場の暮し方の工夫は快適性やエネルギー消費に大きく影響しています。
出所) HP http://www.moreliving.jp/reform/heat.htmより
■ 断熱性能の基準
そして、それらの部分的な断熱性能の積み重ねにより住まい全体の断熱性能を数値で評価する事ができます。また、その断熱性能を表す数値に対して、住まいの地域ごとに省エネルギー基準により目標値を定める事ができます。
最近までに建てられた住まいで、断熱性能に対して特に注意をしないで建てられた住まいの断熱性能は、新省エネルギー基準という1992年に定められた基準値前後になっている事が多いようです。
しかし、断熱性能のアップに少しだけ力を入れて1999年に制定された次世代省エネルギー基準にのっとると、従来の住まいと比較して暖冷房に要するエネルギー使用量がおおむね20%も低減できると言われています。
また、蓄熱といって熱を蓄えることで住まいの中の温熱環境の快適性を補助する方法なども有ります。
出所)「自立循環型住宅への設計ガイドライン」 (財)建築環境・省エネルギー機構 P92より