地震は地下深部の岩石の急激な破壊によって引き起こされます。この破壊は、岩盤に刻み込まれた断層という割れ目に沿って岩盤が急激に動いて起こります。断層がずれ動き震源域からは四方八方に大地を揺り動かす波動「地震波」が発射されます。この地震波は地下の岩盤を毎秒数kmあるいはそれ以上の速度で伝わります。地震波の揺れがある程度以上大きいと、地震波が地表に達した瞬間、私たちは地震の揺れを体で感じます。その揺れが非常に大きな場合には建物が壊れるといった被害が生じることとなります。
この断層の急激なずれ動きは、地下の岩盤に、長期間にわたって徐々に大きな力が加わると、硬い岩盤といえども歪が生じてきます。その歪が次第に大きくなり、岩盤がその歪に耐えきれなくなり限界に達したとき、断層が急激にずれ動き(断層破壊)地震が起こります。
また、最近地震を引き起こした断層は、過去に幾度もずれ動き地震を繰り返し引き起こしたことが確かめられています。つまり、地震とは、長期間にわたり岩石に蓄積された歪エネルギーが断層破壊を伴って地震波のエネルギーとなって一気に放出される現象です。この歪エネルギーは、地震波のエネルギーだけではなく、地殻変動や津波を引き起こすエネルギーとしても放出されます。地震はそのエネルギーの大きさにより、大小さまざまな規模のものがあります。
地震が繰り返す時間間隔は地震の規模や地震のタイプにより長いものや短いものなど様々です。その主な原因は、
1)規模の大きい地震は小さい地震に比べて大きなエネルギーを放出するため、それに見合った大きな歪エネルギーを蓄えるのにより長い期間がかかる
2)地震には、様々なタイプのものがあり、地震のタイプが異なると歪エネルギーの蓄積速度が異なることなどのためです。
また、地震は断層破壊によって起きますが、その断層は断層面でその両側の岩盤を断ち切っています。断層面が強く噛み合っていると岩盤には歪みエネルギーが効率蓄積されます。しかし、噛み合いが緩いと断層面に沿って両側の岩盤がずるずると滑るので、歪みエネルギーの蓄積は遅くなり地震発生の間隔が長くなったり地震が起きにくくなったりします。
地震は地球全体にわたり一様に起きているわけではありません。地球表面は大小十数枚のプレートという板状の硬い岩盤で隙間なく覆われています(図())。これらのプレートはそれぞれ異なる速度で異なる方向にあたかもベルトコンベアのように移動しています(プレート運動という図())。プレートが接しあう場所(プレート境界)の一帯では隣り合うプレートが押し合い擦れ合って、岩盤に歪みエネルギーが急速に蓄積されます。地震はこれらのプレート境界に沿った帯状の地域に集中的に発生します。地震が集中的に起きるこの帯状の地域を一般に「地震帯」といいます。