首都直下地震については、今後100年以内にM7クラスの地震が数回発生する可能性があると言われています。M8クラスの関東地震が今世紀中に発生する可能性がほとんどないものの、M7クラスの直下地震は有る程度の切迫感があるというのが中央防災会議の見解です。首都直下でM7クラスの地震が発生すると、軟弱地盤の上に立地する超過密な巨大都市東京および首都圏では、阪神淡路大震災や新潟県中越沖地震による被害と比べ桁違いの大被害が出るものと予想されます。昨年7月の千葉県北西部の地震(M6.0)では、足立区で最大震度5強を記録し、交通機能の麻痺やエレベータの故障・閉じこめ事故が目立ちました。
急速に変貌する巨大都市東京では、予想される被害の様相も変化します。地震時に一般市民の生命・財産を守りつつ、同時に国の政治・行政・経済機能や企業活動を継続的に維持することは容易ではありません。政府は今回建物の耐震化を積極的に進め、地震による人的、経済的損失を今後10年間で半減させるという目標を立てました。