日本海溝・千島海溝に沿って多くの海溝型地震が繰り返し発生します。それらの中には、2004年12月のインド洋大津波のイメージと重なり合うような被害を生む地震お含まれます。被害想定の検討対象となる地震は、択捉・色丹島沖、根室・釧路沖、十勝・釧路沖、500年間で発生した北海道の太平洋沿岸に大津波を起こす地震、三陸北部地震、連動型の宮城県沖地震および、明治三陸地震タイプの7地震です。これらのM8クラスの巨大地震は過去に繰り返し発生しており、近い将来に発生する可能性は否定できません。これらの地震の震源域は概ね陸地から離れているため、揺れによる被害は比較的少ないですが、巨大津波が来襲するという特徴があるので、特段の注意と対策が必要です。北海道から東北地方の太平洋沖で発生する海溝型地震については、地震発生から津波到着まで概ね40~60分の猶予時間があります。現在では、津波警報により避難行動を取ることが可能であり、堤防等の津波に対する防護施設もかなり進みました。しかし、速やかに避難行動を取らないと大幅な人的被害の軽減には繋がりません。
参考文献 目で見る木造住宅の耐震性 宮澤健二編著 東洋書房