住まいをつくるコスト
住まいのコストとして、坪○○万円の家といういい方をよくしますが、これは建物の工事費の限られた部分を示しているに過ぎず、また含まれている範囲もまちまちです。この坪○○万円という費用だけで住まいは完成しません。住まいを完成させるための費用にはどのようなものがあるのか、整理してみましょう。
1、本体工事費
実際に住宅本体をつくるために支払う工事費で、基礎工事や木工事など、工事種別毎の材料費や器具損料、職方の手間賃、運搬費、工務店の諸経費などが合算されたものです。ハウスメーカーや工務店の広告などでは、主にこの本体工事費を住宅の床面積で割ったものを坪単価として表現しています。ただ、ロフトや床下収納など、床面積としてどこまで含んでいるかによってこの坪単価は変わってきます。より多くの部分を含めば含むほど坪単価は安く表現できます。
2、別途工事費
既存建物の解体費用や地盤改良工事費、カーテンや家具、エアコンや電気・給排水の引き込み工事などは別途工事費として本体工事とは区別されることが多いようです。中には照明設備やキッチン設備なども別途工事として区別している業者もあり、坪単価だけで住宅のコストを判断することはとても危険です。
3、設計料
設計事務所に依頼したときのみ発生する費用と考えられがちですが、設計料はどんな住まいづくりにも必要な費用です。基本的に設計や工事監理という作業無しでは家は建ちません。ハウスメーカーや工務店に依頼した際も、全体の諸経費の中にしっかりと含まれています。設計事務所の場合、一般的な住宅の設計料はおよそ①+②の10%前後(規模が小さければ料率が上がり、規模が大きければ料率が下がるのが一般的)が目安です。
4、その他諸費用
住まいづくりの際には上記費用の他に、地盤調査費、確認申請や検査手数料、地鎮祭や上棟式費用、水道加入金、下水道負担金、住宅登記費用、引越代など、様々な諸費用が必要となります。その他諸費用は①+②+③の5%程度が目安とされています。
5、消費税
住まいづくりは高額なため、これにかかる消費税も高額になります。
6、土地代
住宅を建てる際には土地があることが前提となります。新規に購入する場合は土地の購入費用、登記費用、行政書士手続き費用などが別途必要です。親族から土地を譲り受ける場合は、それなりの税金のほか、田んぼや畑の場合、宅地への転用手続きや登記費用に加えて、造成工事や地盤改良費用が必要になります。
このように、住まいづくりのコストは本体工事費だけではありません。住まいづくりにかかる全てのコストを明らかにした上で丁寧に説明し、さらには全体のコスト管理をしてもらえるつくり手が理想的です。
<住まいづくりのコスト>
(総費用)