住まいづくりにおいては、住まいをつくるコストと実際に用意できるコストのバランスが重要になります。いくら立派な住まいを作っても、その後過酷な住宅ローンに追われる人生は決して幸せとは言えません。自己資金や収入、しっかりとした返済計画などから、実際にかけられる住まいのコストも見極めておく必要があります。
1、自己資金
自分たちの手持ちの現金や預金の他にも親の資金援助があります。住宅取得の際に親からの資金援助を受ける場合、通常とても高い贈与税がかかりますが、それを回避する方法が幾つかあります。住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例を使う方法(一定の要件を満たした住宅資金の贈与の場合、3500万円まで無税。平成19年12月31日まで)、親との共有名義にする方法(贈与にはならない)、などです。ただし税金の問題は日々制度が変わり、他の税制とも複雑に絡むものなので、一度、税理士や税制に詳しい人に相談することをお勧めします。
2、住宅ローン
住宅ローンを借りる場合、総費用の20~30%程度を自己資金でまかなうことが、家計上望ましいとされています。住宅ローン選びのポイントはまずは金利です。目先の低さの変動金利よりも長期固定の融資が総合的には有利とされています。またしっかりとした返済計画を立ててから借りる金額を定めることも重要です。融資には公的な財形や自治体融資、民間の様々な住宅融資があり、住宅の形態によっては自治体の助成や利子補給制度もあります。税制においても住宅ローン減税などがあります。まずは自治体や銀行の窓口に行って、色々と相談してみましょう。
3、住まいの費用の支払い時期
費用の準備に際しては、いつ頃、いくらぐらいの費用の支払いが必要なのかを、把握しておく必要があります。住宅融資を受ける場合は、支払時期のタイミングを合わせる必要があり、つなぎ融資(施主と銀行の間で組む建設資金の短期ローン)の検討なども必要となります。小額の費用であればその作業終了時や納品時の支払いでよいですが、設計料や工事費といった高額のものは、通常、着手時・中間時・完了時に分割して支払います。分割の割合や詳細な支払い時期は、つくり手の業態や種別によって異なりますし、特に分離発注の場合は、随時、各々の工事業者への支払いが必要で、住宅融資を受ける場合には、資金繰りが難しいようです。着手前に、つくり手と共に、予め支払いスケジュールの確認を忘れずに。