樹は土中から水分を吸って生きています。立木の状態の時、樹の細胞は水分で満たされています。樹が伐採された後もこの細胞を満たしていた水分は、樹中に多量に残っています。この樹中の水分の割合を「含水率」という数値で表します。伐採直後の含水率は100%を越えていることが多々あります。この「含水率」を下げることが木材を「乾燥」させることなのです。
木材は伐採された後、徐々に水分を発散させていきます。つまり乾燥していくわけです。乾燥していく過程の中で木材は「割れ」たり「反ったり」して暴れます。荒挽きの段階で暴れる分には問題は少ないですが、仕上がり寸法に製材された後、または軸組に組みあげられた後に暴れたりしたら大変です。また「含水率」の高い状態の木材は、蟻などの虫害にあいやすく、腐朽菌に対しても抵抗力が弱いというデータもあります。
こういった様々なリスクを減らすために、乾燥した材を使うことが重要なのです。
木材の乾燥方法には大きく分けて「天然乾燥」と「人工乾燥」の2種類があります。
「天然乾燥」はその名の通り、太陽光や風といった自然エネルギーを利用して、木材を乾燥させていく方法です。それに対して「人工乾燥」は石油や電気など、人工的なエネルギーを使用して、強制的に木材を乾燥させていく方法です。「天然乾燥」、「人工乾燥」それぞれにメリット・デメリットがあり、それらを理解したうえで乾燥方法を選択する必要があります。