木材を乾燥させるためには、様々な工程・時間が必要となります。品質(含水率やヤング率)が明らかな木材を使用するためには、その工程の節々で品質管理(木材管理)をしなければいけません。本来ならば材料供給側がこの品質管理を行わなければいけないのですが、コスト・スケジュール的な問題から一般的に行われているとは言い難いのが現状です。
とはいえ、品質の明らかな木材を使用しなければ、後々のクレームになるのは明らかです。それを避けるためには木材利用者(工務店・設計者)が品質管理をしなければいけません。簡単ではありますが、木材の品質管理のスケジュール例と、ポータブル含水率計による含水率検査の方法例を説明します。
<木材品質管理スケジュール例>
<含水率検査の方法例>
・含水率計(出来れば2台)を用意する。
・含水率計の調整(温度・樹種補正)を行い、材の同じ場所でそれぞれの含水率計が同じ数値を示すことを確認する。
・成の高いものから順番に通し番号をつける。(木口に太マジックで)
・節の部分は比重が高くなるので節以外の部分を測定する。
・樹心に近い材面を上にして、上面を測定する。
・含水率計は材幅の中央部に木材の目に沿って軽く当て、1つの材で長さ方向3箇所(側面・上面)を測定し、最大値とその材の含水率とするか、元口側木口より1m程度の位置の測定値とする。
・初回の検査に限り目標含水率に達しなかったものははねる。(再度乾燥庫に入れる等の処置を検討する。)